小児科における看護業務の実情

小児科の看護師の仕事は純真な子供と触れ合えることもあり、人気が高い仕事である。
ところが、実際に小児科で看護師として働いてみると、理想と現実のギャップに愕然とするケースも少なくない。
病気の子供というのは元気な時と違い、ぐずることも泣き出して暴れることも日常茶飯事だ。
点滴や注射を嫌がることはもちろん、点滴の針を勝手に抜いてしまうこともある。
薬を飲むことを拒絶しても、怒ってはいけない。
しっかりと根気良く説得しなくてはならない。
毎日、子供たちの予測がつかないアクシデントと相対することになるのだ。
他の科から小児科に移動したばかりでは、これまでの経験が通用しないことが多いとだろう。
これは小児科という、大人とは違う症状の進み方や、小さな医療器具を扱うことの難しさに圧倒されることが関係してくる。
小さな医療器具の扱いは、時間が掛かるが慣れるしかない。
その扱いに慣れれば、今後医療器具を取り扱う技術が高くなるという利点も得られる。
また、小児科で子供に接していれば、相手の意図を汲み取り、どんな状況でも的確な判断ができる応用力が身に付くといえる。
小児科の看護業務では、なによりも、子供とのコミュニケーションが、仕事の中心となる。
何気ない会話の他に折、おり紙やお絵かきを通して、治療の内容を説明したりすれば、子供たちも理解して怖さを半減させることができるだろう。
「子供が好き」という気持ちは、小児看護の道に進む大きな理由になるが、それと同時に子供との付き合い方を学ぶ覚悟も必要になってくる。