幅広い年齢を対象とする小児医療の重要ポイント

小児医療の現場では、通常の外科や内科、主に成人を対象とする病棟と異なるところがある。
小児医療の対象は出生後から15歳程度までが一般的とされているが、小児特有の慢性疾患がある場合は成人後も小児医療の対象とされるため、0歳児から成人まですべての患者が対象となる。
対象年齢が幅広いため、重要となるのが患者さんの発達段階に合わせたケアだ。
発達段階とは子供の成長過程における特徴であり、エリクソンの「心理的社会的発達理論」が著名である。
小児医療の現場では子供の成長の一環に関わることになるので、発達段階に応じた接し方が求められる。
また、意思疎通ができない乳幼児を対象とする場合も多く、言葉以外で接し方を工夫する必要もある。
子供にとって医療行為は、理解することが難しく、恐怖や苦痛を伴うものだ。
医療によって恐怖を感じた経験から、医療者が見えただけでパニックにおちいる患者もいる。
そういった恐怖や苦痛を、可能な限りやわらげるために、多くの小児病棟では、明るく可愛らしいデザインが用いられているのだ。
また、患者にとって医療行為がただの苦痛で終わってしまわないように、不明の解消や知的好奇心を満たす、または乗り越えたという成功体験になるよう働きかけることもある。
小児医療の現場では、子供だけでなく保護者とのコミュニケーションも重要だ。
大切な子供が医療を必要としている時、保護者は強い不安を感じているため、家族という単位でケアの対象となる。
つながりが深い保護者を通じて、子供への理解を深めることで接し方や看護サポートの在り方を見つけられるのだ。